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来客
「新入会員。ここマジック研究会」
ポーリャの淡々と澄んだ声を聴き、リンは我に返る。
「そうね。新入会員ならよかったね」
やや困り顔で笑う姫野先生をみて、リンは首をかしげた。
「あれ?先生は誰が来るかご存じなんですか?」
「ええ。もうじき来られるから椅子や机の準備とかしておこうか」
しばらくして研究会の扉がノックされる。
コンコンコン。
コンコンコン。
規則正しく、定期的に音が響く。
「どうぞ」
姫野先生が声をかけると、扉が開いた。
「教頭先生!」
入ってきた人の姿を見てリンは声を上げる。




