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失敗と再挑戦
「あわわ」
コップのお茶がこぼれかけるほど揺れが大きくなり、リンはコップを支える。
「今のはイメージが強すぎたかな。もう少し弱めてみるといいかもね」
冷や汗をぬぐうリンに、姫野先生は優しく伝えた。
「はい。やってみます」
リンはコップに向かい合い、もう一度魔法を唱える。
(あ茶、ちょっと飲んだほうがよかったかな)
杖をかざす前に、リンは量を減らしたらいいような気がした。
コップが揺れる。
「成功……かな?」
リンがコップを見つめていると音が鳴りだす。
「あれ、音が……」
先ほどコップはちゃぷちゃぷと音を奏でていた。
今聞こえるのはザザーという音で、まるでノイズ。
スピーカーにマイクを近づけたような音がコップから響く。




