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未来を夢見て
「ねえ先生、魔女ひなってどうやったらなれるんですか?」
「リンちゃんはなりたいの?魔女たまに」
「そりゃあ……ポーちゃんと一緒ですし」
ゆっきーを魔女にするため、と言いかけた言葉をリンはあわてて変える。
(まだ内緒にしとこう。人を合格のだしに使うのはちょっとね)
リンは自分の力だけで合格しようと、決意を新たしに闘志を燃やす。
「簡単な試験があるから機を見てやってもらおうかな」
「今からでも大丈夫」
「やる気満々ね。今日はこれからお客さんが来るから」
お客と聞いてリンは魔法を止める。
宙に浮いていた手品の小道具が机の上に舞い戻っていく。
「お客さん?ひょっとして新入部員?」
新しい子が来るとリンは瞳を輝かせる。
(ツグ姉の代わりかな。ゆっきーと一緒に魔法教えるんだ。それに……)
ポーリャや朝霧と五人そろって魔法の練習をする姿をリンは思い描く。




