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魔法は踊る
ぷかぷか。
ふわふわ。
ゆらゆら。
リンは浮く音のオノマトペを紡ぐ。
言葉を紡ぐたびにマジック研究会の備品が浮く。
箱、シルクハット、トランプ。
様々なものを浮かせては空中で踊らせた。
(魔法って楽しい!このままいけば、このままならゆっきーだって)
リンは心の中で叫ぶ。
自分がめきめき上達して魔女ひなになる。
それが魔女にあこがれる友人を魔女にできる方法と信じて杖をふるう。
「先生魔法って楽しいですね!」
リンが姫野先生に言葉をかけると姫野先生は微笑みを返す。
「ええ。魔法は楽しく面白く奥ゆかしいものなのよ」




