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思いの歌
リンは天井に杖を向け、言葉を重ねる。
「私の思い、歌になれ!」
研究会の教室に歌と曲が流れる。
「ポーちゃんに問題。この曲なーんだ?」
からかっている感じでリンはポーリャに質問する。
「………………」
目を閉じて耳を澄まし、ポーリャは志向を澄ませていく。
「どこかで聞いた……」
「そうよ。歌っていた曲だもん」
「………………」
リンの言葉にポーリャはまた目を閉じる。
口まで出かかって、それにふさわしい言葉を探している。
もどかしい思いがリンには見て取れた。
「ヒントはね、みんなで歌っていた曲よ」




