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身長差
「そんな感じだよ」
しどろもどろに答えるリンの様子を見て細花先輩は微笑む。
「ちゃんと答えようとするリンちゃんなら、みんなも答えてくれるはずさ」
「もートウ兄はそうやって大人びててずるい!同じぐらいの背で一緒に動いてたのに」
「そりゃ一年先輩だからね。リンちゃんも二年生になればわかるよ」
「そうかなあ」
「まだまだ伸び盛りだからね。僕もリンちゃんも」
細花先輩はそう告げると、集めていた本の山を持ち上げる。
「そろそろ仕事にもどろうか。本のジャンルはどこがどこだかわかるかい?」
「え?えーっと……お願いします」
「なら一緒に行こうか。案内するよ」
本を持って出図書室への出入り口に細花先輩は向かう。
リンは出入り口に先回りして扉を開けた。
「ありがとう、リンちゃん」
楽しそうにお礼を言いい、細花先輩はリンの目の前を通り過ぎる。
頭ひとつ分は離れている身長の差を、リンは改めて感じていた。




