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聞きたいこと
「あのね、トウ兄。もし私が魔法で季節を狂わせたって言ったら信じる?」
迷いを振り払うかのように、リンは思い切って細花先輩に聞いてみた。
「信じるよ。リンちゃんが言うならね」
「え、信じちゃうの?なんで?どうして?」
「リンちゃんの言うことだから信じたいかな。嘘から出た実ってのもあるし」
あまりにあっさりと信じてくれる細花先輩にリンは耳を疑う。
「理由があるなら話せる日まで待つよ。たとえばリンちゃんが――」
「私が?」
「細花先輩って呼ぶって言ったのに、トウ兄呼びなのはなんでかな?とかね」
言われてからリンは気づいた。
確かに昨日、細川先輩と呼ぶと約束していた。
「そ、それはとーぐーだしでも先輩だからみんな読んでるトウ兄しようかなって……」




