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回るおもい
「背負う?リンちゃんが?」
「うん!トウ兄って今何か背負ってるんでしょ?」
「まあ肩の荷が重いとは感じるね」
「でしょ。ちょうど私も温かくなって肩の荷下りたから今フリーだし背負えるかなって」
「えーっと……つまり暖かくなったらリンちゃんの肩の荷が下りたんだね」
話を整理しようとしているのか、細花先輩はリンの言葉を繰り返す。
(あ!季節の精霊とか魔法のこと内緒だった!どうしよう)
リンは心の中で冷汗が流れる。
「願掛けとかおまじないとかをやっていたのかな?」
「へ?」
「そういうのは内緒にしておくものだよ。たとえ相手が誰でもね」
共通点を探していた細花先輩は一人で結論づける。
(なにかと勘違いしちゃった?私が魔法で雪降らせて季節無茶苦茶にしたのに……)
そのことを教えようとするリンの脳裏に、魔法は内緒との言葉がよぎった。
内緒にするか正直に話すか、天秤が揺らぎリンの頭を悩ませる。
「でも暖かくなったね、本当にさ」




