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図書委員のお仕事
「これらが図書委員のお仕事になるかな」
放課後、図書室に到着したリンは細花先輩から図書委員の説明を受けた。
「雰囲気はわかりました」
「なら、理解を深めるために復唱してごらん」
「返却された本をもとの位置に戻すのと借りた人たちの返却期限の確認ですよ」
「うん。その通り。教わったことを声に出して確認すると相手も安心するからね」
正しく復唱できたリンに笑顔を返す細花先輩。
「ありがとうござ――」
「あと一番大切なことがあるよ」
元気に返事をしようとしたリンが言い終わる前に、細花先輩は言葉を重ねる。
「え?なんでしたっけ?」
「図書室では、静かにね」
本を読んでいたり勉強していた利していた人たちからの視線がリンにそそぐ。
「――はい」
リンは声のトーンを落として、恥ずかしそうに答える。
「準備室に行こうか。あそこなら少しぐらいは会話できるから」




