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邪魔が入る
休み時間になるたびに、リンは姫野先生に会おうと試みた。
そのたびに誰かがリンになにか頼んできたり、誘われたりしてくる。
(ノートまとめるのに、時間がかかっちゃうのも原因かなあ……なんでだろ?)
リンが先生の説明と要点をまとめ終えると、ちょうどチャイムが鳴った。
「お腹すいたー。今日の給食なんだろ」
「給食当番集合ー。貰いに行くぞー」
教室が騒がしくなる。
(そうよ!食べ終わったら聞きに行けば――ってそれだとみんなに聞かれちゃう)
リンの顔色が輝いたかと思えば、一気に暗くなる。
(なんでこうタイミング狂っちゃうのかな。まるで魔法を学ぶと同じだよ)
暗くなったリンの顔がさらに曇る。
(そっか!魔法よ!魔法で姫野先生と会話できるように頼めば!)
リンはタイミングを見計らい、杖を持って教室を出る。




