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マジック研究会
「リンちゃんが持ってきたのは、マジック用の杖だからね」
「そっか。ほかの子も来るんですね」
「『マジック研究会』だからね、ここは」
「なら卒業した時に魔法も卒業――」
「それまでに自分用の杖を作るのが、目標になるかな」
「はい。一日も早く自分の杖を作れるようになってみせますね」
当面の目標を教えられ、リンはやる気に満ちて杖を手にする。
「どうすれば魔法が使えますか?」
「まずは自然の力をひとつ選ぼうか。魔法は自然から力を借りるものだからね」
姫野先生の顔を見て、リンは考える。
「先生は何を選んだんですか?」
「私?光の力かな。自分の好きなものを選ぶと使いやすいよ」
「好きなものですか……」
リンは自分の好きなものを頭の中で思い浮かべる。




