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うららかな日差し
音楽室に着くと銘々席へ向かう。
(でもほんといい天気よねー。なんだかこう眠くなっちゃいそう)
大きく伸びをして、リンは机に突っ伏す
(季節の引継ぎは終わったんだよね。ありがとう冬の精霊さん)
うららかにそよぐ春の日差し。
リンは肩の荷が下りたかのように安心している。
(寒いままだったらどうしようって思ってたし、魔女たま呼ばわりも許してあげよっかな)
ポーリャも姫野先生もすんなりと受け入れている。
そのおかげなのか、リンもそれでも良いかなと思うようになってきていた。
(ポーちゃんは魔女ひな、姫野先生は見習い。まずはひな目指して――って朝霧ちゃんは?)
ぼんやりとした思考の中で朝霧はどこなのかを考える。
(後で聞いておこうかな――)
答えてくれるかな、と思いつつリンは眠りの世界に落ちていった。
しばらくするとリンの髪に何かが当たる。
(消しゴム?ポーちゃんのだ。なんでここに)




