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起きてたのに
「春眠暁をなんとやらですわね」
出席を取り終え、ホームルームは終わる。
姫野先生を目で追っていたリンは廊下側の席にいる朝霧と目が合う。
リンにもちょうど聞きたいことがあり、会いに行くと最初のセリフがこれだった。
「ちゃんと起きてたよ。ちょっと考え事をしてたの」
大きく息をつき、朝霧はあきれた様子でリンに聞き返す。
「時間の使い方とか魔……ジックをうまくなる方法とか」
「時間の使い方は先生の話にありましたわよ」
「え!ホント?」
「本当。話は聞こう。最後まで」
様子を見に来たのか、朝霧の席にポーリャも顔を見せる。
「ためになるお話でしたわよね。時間の使い方」
「そう。今後に役立つ」
朝霧の言葉を首を縦に振って肯定するポーリャ。
「えー!どんな話だったの?」
「少しは考えられたらいかがです?一時間目音楽ですから先行きますわね」




