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部室にて
「手伝ってくれてありがとうね。教壇の上においてね」
「なんに使うんです、これ?」
持ってきた箱を教壇の上に置くリン。
姫野先生は近くの机に荷物を置き、机を向かい合わせようとしている。
「あ、手伝いますね」
一通りの準備を終えたあと、姫野先生は入会届をリンに手渡す。
肩透かしを食ったのか、リンは一瞬顔をうつ向かせ、すぐさま上げる。
そして、入会届を受け取り、必要事項を記入して、姫野先生に手渡す。
「受け取りました。なら次は魔法を使うための杖を渡すわね」
姫野先生は自分が持ってきた箱から、ケースを取り出す。
「これはリンちゃんのために作った、リンちゃん専用の魔法の杖よ」
姫野先生の言葉にリンは瞳を輝かせる。
「これで魔法が使えるのね!」
「ええ。よろしくね。リンちゃん」
喜び弾むリンの声に、姫野先生は微笑んで答える。




