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思いを新たに
「洗濯終わるって教えに来てくれたのね。ありがとう、えーっと……」
リンは姫野先生のパートナーである猫の頭に手を置いてなでる。
「この子はスズ。うん。ちゃんと乾いたよ」
「ありがとうございます。先生」
乾いた服をハンガーから外し、リンに手渡す姫野先生。
「先生はどうして魔法を教えてくれるんです?」
服を受け取り着替えようとする前にリンは姫野先生に質問する。
「この町の言い伝えに沿ってるだけよ」
「魔女がいるってやつですか?」
「あちこち探してる子を見かけたなら答えたくなってさ」
「なら――」
「リンちゃんも魔女たまから魔女ひなになるまではしっかり面倒見るからね」
(そっか。まだたまごなのね……)
コツを教えてもらえたからか、リンは魔女たまを卒業した気分になっていた。
(ゆっきーとも魔法の練習やりたいから早く上達しよう)
パルキオを目を合わせて、リンは決意を新たにする。




