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教わったこと
「すごーい!先生のお母さんも魔女だったなんて!」
「そうかなあ……正式な魔女になる試験、先延ばしにしてる人よ」
「え?なら先生も見習いなんです?」
「どうだろ?見習いの定義ってなんなんだろね」
リンの質問を質問で返す姫野先生。
「質問を質問で返すのって――」
「質問の仕方を変えてみるのもやり方のひとつよ」
「言い訳だー」
姫野先生の言葉にリンはまたころころと笑う。
「そうねえ……教わったことをそのまま伝えるのなら」
優しい目でリンを見つめ、姫野先生は口を開く。
「言われたことができて三流。裏を読んで二流。それ以上のことができて――」
一流なんだろうな、とリンは憶測する。
「半人前よ」
「え?それじゃあ一流や一人前ってなんですか?」
「それはリンちゃん自身が見つけてね。私と同じように」




