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魔法の効果
「やっぱりパルキオの力がいるのかあ」
再びリュックから顔をのぞかせるパルキオ。
「それが分かっただけでもよしとしとこう」
リュックを背負い、杖をケースに入れてリンは家に帰ろうと公園を出る。
「あれ?朝霧ちゃん?」
朝日を背に朝霧が走ってきた。ジャージ姿ということはジョギングだろうか。
「おはよう朝霧ちゃん」
「……おはようございます」
「どうしたの?変な顔して。なんか警戒してるっぽいし」
「……ああ。清白さんのお姉さんですのね。ようやく気づけました」
「え?ちょっと待って――」
「やっぱり姉妹ですとよく似ていますわね。ジョギング中ですので失礼いたします」
軽やかに足踏みをして会話していた朝霧はそのまま走っていった。
「どういうこと……ってポーちゃん、おはよ――」
「誰?」
犬の散歩をしていたポーリャは、開口一番リンに会うと伝え、去っていった。




