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リンの悩み
「ふぅ……お腹いっぱい」
食事をリンは自室で人心地つく。
「やっぱり自分の部屋が一番落ち着くよねー」
ごろりとベッドで横になるリン。
鞄からパルキオが顔を出し、リンのお腹の上に乗る
「精一杯食べたのにみんなはもっと食べてるのってずるいよね」
リンはパルキオを手に取り、顔の上に持ってくると素直な気持ちを伝える。
「お父さんもお母さんもポーちゃんもゆっきーもクラスのみんなも」
意識を失っていた数年間はずっと横になっており、栄養摂取は点滴のみだった。
(運動できてたらなあ)
身長を伸ばすには成長ホルモンが必要で、睡眠と食事と運動が大切となる。
看護師さんからそう聞いて、リンはリハビリに精を出した。
結果として前と同じように動けるようになり、成果は出たといえよう。
(ただ注射がなあ)
成長ホルモンを打つかどうかという話を思い出す。その話は今も続いている。
「そうよ!魔法で大きくなればみんなみたいにたくさん食べれたり勉強できるはず!」




