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いろいろあった二日間
リンが着替えて降りてくると、ちょうど食材を切り終えたところだった。
「今日は焼肉?ごちそうじゃん!」
「いろいろあったからね。リンちゃんはどうだった?」
父はテーブルにあるホットプレートのスイッチを入れる。
「私?私はねー……」
プレートに塗った油の音を聞きながら、リンは二日間のことを話し出す。
「細花さんのところのツグミさん、入院中だったのか」
「うん。元気そうには見えたよ」
「ツグミさんからバトン受け取ったんでしょ?やれそう?」
「やる!やってみせるよ、マジックも絵も!」
「勉強もね」
リンの話を聞いて考えこむ父と心配する母。
「もー!勉強とか身長とかは寝込んでた分の遅れは取戻し中なの!」
「そうだね。ロースターもリンちゃんみたいに温まったからご飯にしようか」
父はそういうと食材をテーブルに運び、リンは味噌汁を、母はご飯をよそう。




