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おかえりとただいまと
リンが家に着くと車が止まっていた。
見覚えのある車にリンは勢いよく玄関の扉を開ける。
「おかえり。お父さんお母さん」
「ただいま。リンちゃんもお帰り」
夕食の準備をしながら、お父さんは答える。
「ごめんね遅くなって。お詫びにプレゼントがあるの」
「なんだろ?開けて良い?……これ携帯!?」
「そうよ。雪八柳さんやイワネンコさんと同じものだけど許してね」
「大丈夫!ありがとうお母さん!」
「どういたしまして。もうすぐ夕飯だからね」
リンの母はそういうと父を手伝う。
「手伝うよ」
「その前に着替えてらっしゃい。制服にしわついちゃうから」
「はーい」
リンは嬉しそうに答え、楽しそうな足取りで自室に向かう。
(携帯も手に入ったし、これでちょっとはみんなに追いつけるかな)




