144/313
辞めていく先輩
「こんにちは。姫野先生。それにポーリャさんにリンさん」
「ツグ姉!」
「リンちゃん。先輩だよ」
「あっそうか。ありがとうポーちゃん。お久しぶりです細花先輩」
「ツグミ先輩で良いわよ。魔女探しの時以来かしら?」
ベットのリクライニングで体を起こしているツグミ先輩が優しく微笑む。
「はい!ツグミ先輩がみんなをまとめてくれたの今でも覚えてます」
「そうね。懐かしいわね」
「ツグミ先輩はどうして魔……ジック研究会を辞めちゃうんですか?」
ベッドの隣に看護師の姿が見え、リンは言葉を選ぶ。
「体調的にね。マジックは趣味にしようかなって」
「そうですか……すごい残念です」
「リンちゃんが帰ってきてくれた。だから私の思いはリンちゃんに託して良い?」
「はい!」
「雪八柳さんもまだ興味あるみたいだし、機会があったら誘ってみてね」
ツグミ先輩の会話にリンは寂しさと懐かしさを覚え、面接の時間は過ぎていく。




