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放課後は車の中で
「ありがとね。リンちゃん」
姫野先生がリンの話を聞いて答えた。
「私はあんまり……むしろ責任取るって使命感のほうが」
「それでもよ。季節の谷間を変えたなら、どんなやり方でもありがとうかな」
「先生。青」
ポーリャの声で車を発進させる姫野先生。
「ごめんねリンちゃん。ポーリャちゃん。放課後はみんなと一緒に食べたかったよね」
「大丈夫ですよ。それより魔法の先輩の話が気になって」
「それについては順を追って話すよ。時間結構ぎりぎりになっちゃってるから」
姫野先生の言葉にリンは昼の残りのサンドイッチを口に含む。
ポーリャのおじいさんとおばあさんと一緒に作った今日のための昼食を。
そして思い出す。姫野先生に誘われた時の状況を。




