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一日増えた
「明日帰ることになったってなんで!?今日帰ってくるって言ったじゃん!」
『ごめんね。仕事は終わったんだけどね』
「ならどうして!」
電話越しに頭を下げているのがわかりながらも、リンは追及した。
「それはねえ……」
どう説明しようかリンの母が迷っている声がしたら、少し間が開いた。
『電話代わったよ』
「お父さん!?ねえどうして?今日帰ってくるって言ってたよね」
『車のトラブルさ』
父の真面目な声にリンはたじろぐ。
『エンジンの具合が悪いみたいでね。バッテリーでも上がったのかな』
「ならそれを直せば――」
『直せる人が出払っていて順番待ち。明日の朝には来るってさっきまとまったよ』
「それだったら今日もポーちゃんの家に泊まるの?」
『うん。あとはリンちゃん次第になるけど、どうかな?』




