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携帯
時間は瞬く間に過ぎ、放課後になり下校時間を迎えた。
「部活の時間使って絵を完成させようって思ってたのに……」
「マジック研究会は今日は絵の練習だったのね」
「そう。黙々と」
茜色に染まる夕焼けの中、三人は学校を背に帰路に就く。
夕日を受け、伸びる影を引き連れて歩く中、ポーリャの携帯が鳴る。
「はい。おばあちゃん?……ん。わかった」
「いいなあ携帯。私も欲しい」
「買ってもらいなよ。私も持ってるし」
ポーリャの会話を見つめ、本音を漏らすリンと形態を見せるゆっきー。
少ししてポーリャが電話を切る。
何の電話だったのか、リンが聞こうとするとまた携帯が鳴った。
「はい。ん。かわる」
携帯に応答するとすぐにポーリャはリンに携帯を差し出す。
「お母さんから」
「私に?なんだろ?はいお電話替わりました。清白です」
リンが電話を替わると相手はリンの母で、告げられた言葉に驚きの声を上げる。




