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町のどこかに魔女がいる  作者: ぷらすとぷらす
第16話 季節の時間
127/313

季節を変えたい

「音色よ音色、音の色――」

 リンは杖をふるって魔法を使う。

 頭の中にイメージした音が奏でられ、手にした杖もリコーダーに変化する。

「えーと確か……」

 リンは思い出す。音楽の教科書を。

 そこにあった春の楽譜を。

(これが今できる私の全力)

 自分に言い聞かせるように、リンは春の旋律を奏で始める。


「うーむ」

 冬将軍はあごひげに手を当てて音楽を聴く。

「発想や展開はよし、じゃな」

 冬を終わらせたい気持ちは同じと言わんばかりに頷く冬将軍。

「ただ肝心の魔法や技術力が――」

 冬将軍が注意深くリンが創り出した音を探ると、見つかる気配二つ。

「春の季節とクマ、か……ふむ」

 

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