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冬を弱めるために
「だから私が責任を取るの!」
「そうか。ならば行動で示してもらおうかの」
「ようは強くなった冬の力を弱めれば良いんでしょ!」
リンの言葉に冬将軍はコクリと首を縦に振る。
(とはいうもののあたりは冬一色……どうやって弱めればいいの?)
冬将軍に放った強気の言葉とは裏腹に、リンの心に弱気が宿る。
(いっそのこと聞いちゃおっかな?先生なら聞いたら教えてくれるし)
腕を組んで考える中、リンはチラリと冬将軍を見る。
威厳に満ちた恰好は気軽に質問できるとは言い難く、リンをさらに困らせた。
(まずは自分で考えよう。勉強とか宿題とかもできるとこまでは自分でやるし)
しばらく考えていると、リンに妙案がひらめく。
(そうよ!発想を逆にして春を強めれば良いんだわ!)
リンはそう決めるとすぐに春を強めるにはどうするかを考え始める。
(春の音春の音……ぽかぽかぬくぬくカッコウやウグイスの鳴き声でしょ)
言葉から連想される春を音で表すために、リンはイメージを深めていく。




