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暗闇の中で
「ここは……?ポーちゃん、朝霧ちゃん?」
尻もちのときに目を閉じたのが原因なのか、気が付くとリンは闇の中にいた。
リンの呼びかけた声はむなしく闇の中に溶け消えていく。
途方に暮れたリンの肩にパルキオが登り、額の石が淡く光る。
「ありがと、パルキオ」
リンはパルキオにお礼を言って頭を優しくゆっくりとなでる。
そしてパルキオが照らす青緑の光をもとに、暗闇の中を進むリン。
自分の靴音さえも闇に消え、静寂の中をただ歩く。
「こっちにいってみよう」
リンが暗い闇の中をひたすらに進んでいくと、パルキオがリンを見る。
「どうしたの?ふしぎそうな顔して?」
パルキオが向いた方向が照らされるため、リンは横向きに歩き出す。
「じっとしてたら今のままだからね。自分を信じて歩いてるだけだから」
感覚感覚、フィーリングと適当な歌を口ずさみ、リンは暗闇の中歩みを進める。




