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ポーリャ
「どうして杖を持ってるの?」
淡々と話すポーリャの素朴な質問に、リンは気勢をそがれた。
「なんかあったときに使おうかなって」
リンが深呼吸してからポーリャに答えると、朝霧もまた深呼吸した。
「先生に言ったら没収されますわね。その言い方ですと」
「なら何て言うの!?」
「どうどう」
沸点が高くなっているリンをなだめるポーリャ。
「絵を描くために持ってきました、で十分ですわ」
「何枚書いても大丈夫なはず。そのためのスケッチブック」
パラパラと白紙のスケッチブックをめくり、リンに見せるポーリャ。
よく見るとスケッチブックの端に絵が描いてありパラパラ漫画になっていた。
その絵を見てようやく表情を和ませるリン。




