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描く場所を求めて
「このカイロ使い終わったら花壇の肥料になるんだって!」
「あとでやってみようよ」
「っていうかこの間雪が降ってからずっと寒いよね」
「寒の戻りかな?」
「春一番は吹いたはずなのにね」
リンたちがぞろぞろと校庭に出ると、寒風が木の葉を運んできた。
「うー寒い!もう春はなずなのに」
「春は三寒四温と言いますからまた暖かくなりますわよ」
腕を組み二の腕をさするゆっきーに声をかける朝霧。
(ひょっとしたら私のせいかも……私が雪なんか降らすから)
「場所どうする?暖かいところとなると日向?」
リンが雪を降らせたことを後悔していると、ポーリャが場所を提案する。
「そうねえ……花壇周りは人気だし私たちは裏庭の芝生と校舎を描こうか」
「朝霧さんはどうして私たちといるの?」
「大勢で行動するのは苦手ですの。お邪魔でしたら案内後に移動しますわね」
岩筒地の質問に朝霧ははっきりとに答え、ポーリャが言った場所を案内する。




