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ありがとうとおはようと
「ありがとう。朝霧ちゃん」
「お礼なら日直日誌を取りに行かれてからですわ。清白さん今日日直でしょう?」
「あホントだ。教えてくれてありがとうね。朝霧ちゃん」
リンは朝霧に重ねてお礼を言うと職員室へ向かう。
教室を出る時もう一人の日直は寝坊して今向かってるとクラスメイトが教えてくれた。
(良いなあ…私も携帯欲しいな)
「廊下は走るな」の貼り紙が目に入り、リンは早足でスタスタと歩く。
「おはようございます!日直日誌撮りにきました!」
「おはよう。清白さんだったかな、ギリギリだね」
「本鈴が鳴るまでに戻りますから」
「廊下も階段も慌てたら大変なことにつながるわよ」
「わかりました。ありがとうございます」
職員室へ新井田初老の先生と軽く話をして職員室を出るリン。
もうすぐ本鈴というのに、姫野先生はゆっくりと準備をしていた。




