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あくる日
「えー!リンちゃんって今ポーちゃんの家に泊まってるの?」
あくる日の朝、教室でゆっきーが声を上げる。
「うん。昨日から。お父さんとお母さんが急に出かけることになって」
「というかヘルプ。助っ人希望」
「どうしたのポーちゃん。リンちゃんと久しぶりに二人っきりだったんでしょ」
「勉強教えが切実。助けが必要」
淡々と語るポーリャにゆっきーは携帯を開く。
「あれ?でもリンちゃんが前いた小学校は結構勉強で有名なところ――」
ゆっきーと一緒にいた岩筒地が口を開く
「えーと……ちょっと病気でさ、ほとんど病院にいたの」
「そうだったの?悪いこと聞いちゃった?」
「大丈夫大丈夫。なんだかんだで思い出もあるし良いところだったよ」
リンと岩筒地の間にほんわかとした空気が流れる。
「ご歓談中のところ失礼しますわね。そろそろ本鈴が鳴りますわよ」
話の最中に水を差す朝霧の声にリンが時計を見ると、確かにぎりぎりだった。




