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失敗しても大丈夫
頭を抱えるリンちゃんにそっとお茶を出すポーリャ。
リンがお茶を口に含むと、お茶の優しい香りと味が口いっぱいに広がった。
「おいしい」
「練習した」
「私もできるようになるかな?」
「うん。コツつかめばすぐ」
「やってみるよポーちゃん!」
ポーリャは淡々と答える。
頭痛や悩み事、昔話、勉強の時、家に来てから。リンはいろいろな顔を見せた。
その一つひとつの表情が愛おしかったのか、ポーリャの表情が緩む。
「あ。ポーちゃん笑った。今日は良いことあったの?」
「リンちゃんのおかげ」
少し考えて何かしたのかを思い出すリン。
その挙動がまたしてもポーリャの表情を崩させる。
「にしてもパルキオがいるなら魔法も上達してくれたらよかったのに」
「何事も練習。魔法も勉強も」




