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前向きに
リンが心当たりを探している間にもパルキオとボーロは踊り続けていた。
手を合わせてくるくると、腕を組むとステップ踏んで、ワルツに似た動きもする。
(楽しそう……ってあれ?)
パルキオの手に気になるものがあった。
(ウサギって肉球あったかな?)
ボーロと肉球を合わせて踊る姿を見て、リンの顔は曇り始める。
失敗の二文字が頭をよぎっていく。
(大丈夫!パルキオはそういう生き物!今決めた!そう決めた!)
強引に振りほどき、リンは顔を上げる。
「大切なのは今!そしてこれから!」
「その通り」
リンの声に呼応して立ち上がるポーリャ。
どこかへ行くのかと思えば数冊の本を持ってすぐに帰ってきた。
「しよう勉強。遅れを取り戻そう」
「うえ~」




