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ポーリャの部屋
「なるほど。つまりこう」
ポットとコップが置かれたテーブルを部屋の中央に置きなおすポーリャ。
「そう!そういうこと!」
顔を輝かせ満足げに頷くリン。
対照的に、ポーリャには少しだけ寂しげな表情が浮かぶ。
いつもは淡々としているはずなのに。
「そこは遠い。こっちにおいで」
手招きするポーリャとためらいを見せるリン。
「大丈夫。ここは大丈夫」
ポーリャはそう言ってテーブルの上に箱を置く。
「お菓子もあるよ」
「…………なら行く」
さんざん悩みぬいたリンは覚悟を決めた顔つきでポーリャの元に戻る。
クッションにリンが腰を下ろすと、部屋の扉が本わずかに開く。




