第八回:ガンプラ
モリの家の人はガンダムが大好きなのですが、くわえてガンプラもとても好きです。一緒に住み始めた際にはバンシィ・ノルンなど何体かガンプラも一緒にやってきました。ただ、以降ガンプラを作っている様子は見なかったのですが、最近はよく制作しています。モリはといえば伯父に昔初期ガンダムを逆襲のシャアまで見せられていたのですが、モリの家の人にガンダムシリーズは大体全部見せられたので(ビルドダイバーズなどは除きますが)、モリの家の人がガンプラに復帰した後、純粋に楽しそうだなと思いました。そこでRGのザクIIを組むことにしました。
ガンプラは根性の競技です。HGシリーズならばまだしも、RGシリーズは本当に狂気の沙汰です。ミリメートル単位で戦う羽目になります。パーツもやたらめったら多いです。それをひとつひとつやすりがけをしてゲート処理をしなくてはなりません。モリ家では完成したらウェザリングとチッピングも行います。その作業が楽しいか楽しくないかと言われると、かなり楽しくないです。ならばなぜやるのか、と言われると、完成した作品を見る喜びのためです。頑張って頑張って完成した作品というのは、つらい努力を一掃してくれるくらいの破壊力があります。反省点も出るため、次こそはここを改善しよう、という思いで新しいキットを買います。モリは最近は何も組んでいませんが、自身が組んだ中で一番のお気に入りはとりあえずギラ・ズールのアンジェロ・ザウパー専用機です。アンジェロは好きです。モリ家の人がシナンジュ・スタインとディジェのナラティブバージョン(これは既存キットではなく、ディジェをナラティブカラーに塗り直しておりました)を作ったのでナラティブガンダムを組みたいのですが、HGはなかなか手間がかかるので迷っています。デスサイズも好きなので組みたいですが、古いキットなのでやっぱり手間がかかりそうで迷っています。
そんなモリはもともと根性なしで、細かい作業も苦手です。何かを始めても成し遂げることがあまりありません。ほとんどないと言っても過言ではありません。さらに、成し遂げたことが少ないので、自分はそういう人間だと思っておりました。始めたことは終わらせられない、飽きっぽい人間だと思っていたのです。ところがいざガンプラを始めてみれば、モリ家の人の圧力もありますが、忠実にステップを踏めば何かしら素晴らしいものができる、ということが分かります。ガンプラはひとつひとつの手順がとても明確です。このパーツをあのパーツに組み合わせる、ということの連続でできています。やっているうちに、人生のその他のことも結局はガンプラと同じなのではないかと思うようになりました。ひとつひとつ、細かい作業を楽しくなくてもやっていれば、何かすごいものができて、そして感動するのです。小説も同じだと思います。執筆中は淡々としていますが、出来上がってみればよくもまあそんなに文字を書いたなと思うわけです。
そういうわけで、モリは自分に自信がないという方にはガンプラを勧めていきたいとすら思っています。ガンプラを一体でも組んでしまえば、自分の可能性がよく分かります。物事はたくさんの小さなことの積み重ねである、という哲学的な境地に達することができます。ちなみに初期ガンダムを最初から最後まで見るのも割と根性が要りますので、それも併せてお楽しみいただければと思います。モリは『ポケットの中の戦争』が面白い、と言って通を気取りたいですが、実際ガンダムUCが一番好きです。泣きました。ガンダムNTでも泣きました。涙腺は弱いです。
本日は以上です。ご清聴ありがとうございました。