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第十四回:異世界転生

 流行ってますね。


 モリ家の人はよく異世界転生ものを読んだり見たりしています。その影響で『この素晴らしい世界に祝福を!』と、『転生したらスライムだった件』は存じております。リゼロはレムちゃんがものすごくかわいいということ以外、ちょっとよく分かりません。あと、『幼女戦記』も毛色が違いますが転生ものですね。好きです。その他いくつか転生ものをアニメで鑑賞したことがありますが、わざわざビートシートを使って起承転結に頭を悩ませている身としては、起転転転転転転転転みたいな展開が心配になるほか、結がないことに恐怖すら覚えます。モリ家の人は「異世界転生ものを書いて一山当てたい、むしろ時間があるのだからモリがやればいいのではないか」と申しておりましたが、主人公を異世界に転生させたとしてもあのファンタジックな展開はさすがに書けないと思います。最近『イデアの肖像』を読ませたところ、「やっぱりモリにライトノベルは無理だ」と言われました。


 異世界転生ものといえば、『共感できる(ダメで平凡な)主人公』『その主人公が基本的に無双』『めちゃくちゃかわいいヒロインは主人公にぞっこん』『ついでにハーレム』という四点を抑えればあとは海が割れようが水がワインになろうがどうにでもなりそうな気がします。ただ、魔法や錬金術といったファンタジックな要素を、整合性を深く考えずに多用できるのは楽しそうだなあと思います。モリだってインフィニティ・インパクトー!! みたいなことを一度はやってみたいものです。ただ、敵モンスターについて考えるのが面倒そうだなと思います。ゲームから直接引っ張ってきました、みたいなモンスター以外に何も思いつきません。あとモリはあまりオンラインゲームやRPGに興じないので、その辺のシステムに疎いというのもあります。FF14だけは全ジョブがカンストするくらいやっていましたが。


 ただ、モリが困っているのはそういったライトノベルしか売れない、みたいなマーケットの現状のほうです。別に売れたいと思って小説を書いているわけでは毛頭ないのですが、読者サイドとしての意見で、なかなか京極夏彦先生のようなレンガ並みの文庫を出してくださる作家様が少なくなっているように感じます。異世界に転生するしないに関わらず、全体的にライトノベル感の強い小説が多い気がします。もちろんそういった小説も売れているものなどは大変面白いのですが、モリはもっと重厚なやつが読みたいのです。なので結局実用書や古典を読んだりしますが(最近一番面白かったのはレイ・ダリオのプリンシプルズでした)、森博嗣先生が「本を読んでる暇があったら書いとけ」みたいな感じのことをおっしゃっていたそうなので、最近は読むぐらいなら書くことに時間を当てています。


 ということで、異世界転生もの自体は悪くないのです。ただ、簡潔な文章しか読めない、という読者が増えるのは悲しいことだと思っているだけです。いつの時代でも小難しい文章が好きな方はいらっしゃると思うのですが、スマホの台頭もあるのでしょうか、ケータイ小説が流行った時期みたいに、お若い方はあまり長い文章を読むのが得意ではないように感じます。仕事にしろ趣味にしろ言葉を扱うことが好きな身としては、寂しい気がするのです。世の中は何事も需要と供給なので、一度需要のほうがそうなってしまうと、供給サイドもライトノベルを量産することになりますので、結果全体がどんどんライトノベル寄りになっていくことを止められない、という難点があると思うのです。


 本日は以上です。ご清聴ありがとうございました。

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