第十一回:日本人観光客
モリは海外に住んでいたことが多いのでよく思うことがあります。それは、『観光客はなぜ観光客然としているのか』ということです。もちろん観光が悪いわけではありません。モリだってします。ただ、「私は観光客です」とありありと分かる恰好をしているのは一体なぜなのかと思うわけです。というのも、日本であれば問題はありませんが、海外では大分問題になります。スリやぼったくりなどの危険に会う可能性が百倍くらいになるからです。というわけで、今回は『日本人観光客』が止めた方が良いことについてお話します。
まず第一に、トランクに伸縮バンドをつけるのはいけません。あれをやっているのは日本人だけだと思います。自分のスーツケースが分かりやすくて良い、というのは分かりますが、最悪の場合スーツケースごと盗難にあう可能性もあります。というのも、アジア人は基本的にお金を持っている、という世界の認識だからです。日本人や中国人はとてもお金を持っていると思われています。実際そうである場合も多いです。なので、スーツケースを目立つものにしてはいけません。最近流行りのお洒落なスーツケースもやめておいた方が無難でしょう。女性が好きな、アンティーク風トランクなどは一番危ないです。ハワイやグアムなど、日本人が多いと分かっている場所に行くならば構わないのですが、パリやイタリアなどではとても危険な行為だと思います。黒くて誰のものだか分からない、使い古したトランクにしておきましょう。
第二に、日本人のファッション観というのを捨てていきましょう。茶髪の方がいらっしゃいましたら、黒にするなり金にするなり、茶色以外の色にしてください。アジア人なのに髪の色が茶色いのはやっぱり日本人です。もういっそピンクとかでもいいのです。茶色でなければよいです。男性の方々は無駄にワックスとスプレーで髪に『遊び』とか『空気感』とか『ニュアンス』とか出すのをやめましょう。思いっきり日本人だと分かります。女性の場合はあまり『ゆるふわパーマ』でないほうがよろしいかと思います。また、重ね着や身体のラインが分からない洋服などは欧米では目立ちます。あくまでも無地のサイズの合った洋服を、最高でも三着ほどで収めて着るのがおすすめです。間違ってもヘリコプターから見ても分かるようなネオンのダウンはやめましょう。ファッションはかなり重要です。それだけでその人が何人なのか見当がつくときがあります。
最後に、持ち歩くバッグは必ず小さなものにしましょう。大荷物だと明らかに観光客です。ホテルまでたどり着くのには仕方がないので注意して、その場合にはシャトルバスなどがないならばタクシーを現地で拾わずに前もって予約するなどしてください。その場の運転手に頼んでしまうと、たまに料金をぼられます。ホテルで荷物を降ろしたら、なるべく小さなバッグを身体の前にかけて外に出ましょう。間違っても後ろにかけてはいけません。スられます。絶対にジッパーの閉まるものにしてください。あと、トイレに行くときはちゃんとカバンを持っていきましょう。男性の場合はバッグを持たないのが最も最適かと思われます。
このような感じです。語ろうと思えばまだまだありますが、モリは大きく分けてこの三点に注意します。とはいっても、そもそも旅行が好きではないので、モリはなかなか海外旅行に行かなくなりました。
本日は以上です。ご清聴ありがとうございました。