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第一回:サバイバル

 欧米にはよくサバイバル番組というのがあります。ベア・グリルズ氏辺りが有名かと思いますが、モリ家ではもっぱらエド・スタフォード氏のほうが人気であったりします。いずれにせよモリは別にサバイバルが好きなわけではないのですが、ゲームでもARKやThe Forestなんかのサバイバル系ゲームのマルチプレイがモリ家で開催されたりします。モリは基本的にマルチプレイなどでなければゲームをしませんので、やはりサバイバルが好きなわけではまったくありません。


 サバイバルというのは、その名の通り生き抜くということですが、現代社会において人類がやたらと『疑似サバイバル』というエンタメを楽しむのはなんだか不思議に思います。ジェットコースターと一緒だと思えます。ジェットコースターなどはモリに言わせれば『疑似死亡体験マシン』であります。少なくとも先進国はこれほどまで豊かでありますのに、わざわざヤドカリを食う生活をしたり、30m落下してみたりするのはモリからすればまったくもって意味の分からない行動なのです。とはいえ考察させていただきますところ、欧米には『Fight-or-Flight Response(闘争・逃走反応)』という言葉があります。モリの記憶が確かであれば、まだ人類がチンパンジーに限りなく近かったときに(今でも限りなく近いのですが)「この状況は生死に関わるので、アドレナリンを出して火事場の馬鹿力を出して戦うか、俊足で逃げるか」という反応のことを言うそうです。いずれにせよ、相当治安の悪い場所に住んでいなければ現代の人間には必要のない能力です。このような反応は現代社会でもストレスを引き金に発生したりしますため、精神的な病が引き起こされることがあるのですが、それはまた別の機会に取っておきましょう。


 要するに、サバイバルやジェットコースターような『疑似死亡体験』はアドレナリンによる高揚を体験するためのものだと言えます。言えます、というか、多分すでにそういう風にかなりの方々が説明していると思います。ドラッグのようなものなのでしょう。合法ドラッグです。アルコールやニコチンよりも強力です。ですが、良いことというのは二面的です。アルコールは肝臓を、ニコチンは肺を痛めます(モリ個人はどちらも嗜好するので、別にやめろというわけでは決してありません。ただしマナーは守りましょう)。ドラッグであれば身体的及び精神的なダメージが予想されます。いずれも多量に摂取すれば死を意味しかねないものですが、サバイバルやジェットコースターに関しては、割と直近の死が待っています。サバイバルで崖から落下したり、ジェットコースターが故障して放り出されたりすれば、それは肺ガンなどよりよっぽど早くその個人を死に至らしめます。もちろん、こういった行為が出来る限り安全であるように配慮されていることは承知の上です。ただ、『疑似死亡体験』が安全、というのは非常に奇妙なスローガンだなと思うわけです。


 そういうわけで、何が言いたいかと言うと、モリ家の人はモリを東京ディズ●ーシーのタ●ー・オブ・●ラーに乗せるのをいい加減やめていただきたいということです。モリはあれに初めて乗ったとき、アトラクションが終了すると同時に恐怖のあまり我先にと逃走した挙句スタッフの通用口に突撃してしまうという辱めを受けました。以来何度か乗っていますが、慣れる気配はありませんし、慣れたいとも思わないほか、乗りたいと思っていません。ですが、モリ家の人はモリがあれでキャーとかイヤーとか死にかけた鶏みたいな声を出して恐れおののくのが楽しいのだそうです。人をそのようにエンタメに扱ってはいけないと思います。


 本日は以上です。ご清聴ありがとうございました。

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