最南村~バルの弟~
バル達は来た道を少し戻り井戸のとこまで来た。
「少年の家は林に近いんだな。魔獣対策大変じゃなかったのか?」
早速復活したヒロが聞く。
「いちを対策はされてるけど、確かに柵を壊したり、あまりないけど飛び越えてくる魔獣は確かにいたな......」
「その魔獣は?」
「だいたい俺が倒すか、林に追い返してやってたかなぁ」
「どうりで14にしてはいい体つきだよな」
キリアが突然肩から腕、ヒロは腹筋辺りをさわさわする。
「な、ちょっ......二人していきなりなんだよ! くすぐったいって!!」
「すまんな少年。姫は筋肉と髪フェチなんだわ」
「そうなんですか......」
そういやキリアとエッダの髪型似てるし髪の毛はどちらもサラサラしてるな......
そういや、さっきまで俺の腕の中にいて首飾りへと消えていった薄桃色の髪色の子、キリアに少し似てるな...って!
「いつまで触ってんだキリア!」
「いやぁ......悪くない筋肉ご馳走さまです」
少し恍惚した顔でキリアはバルから離れる。
離れたが上からしたまで舐め回すように後ろから見られてる気がして歩きにくくなる。
「さぁ、着きました」
「へー思ったよりボロボロじゃないのな。」
ヒロが言う。
「俺の力のせいで数回家がぺちゃんこになりかけたんだけどエッダが現れて修復したりマナを柱や大事な部分に与えたりして何とかなってたって感じッス」
「エッダって子はシュウを落とし魂した子なんだよな?」
キリアが聞いてくるがよく分からないバル
「え? 落とし......なに??」
「つまりは神様をおろすってことだよ。それでも分からないか?」
ヒロがバルに聞く。
「なんとなく理解した」
でも、え? 神様? いろいろ聞きたいことがあるが
「とりあえず、家の中見てきます」
「僕も中に入ってもいいかな?」
キリアが聞いてきたので了承した。
ヒロさんは外をいちを見張るみたいだ。
中に入ってビックリしたのは夕飯を作ってる途中で固まってる母親だった。
俺の大好きなカレーを作って待ってくれていた。
「うっ...」
泣きそうになったところキリアに
「早く準備しないと余計辛くなるんじゃないか?」
言われる通り見てるだけでどんどん胸が苦しく...
突然キリアがバルの口に手を当ててふさぎ、階段下の隙間に隠れてしまった。
目を会わせるとキリアはシーっと自分の口に指を当てる。
こくりと頷くと手を離してくれた。
小さな声でバルが「何を!」というと、二回からガタッと音がした。
「なんだ? 多分俺の部屋からみたいだ......」
キリアは無言でゆっくりと二階への階段を登り始めた
そしてそのまま気配のする部屋の前まで来た。
あとをついていたバルが何の気なしに扉を開く。
「......ぁ......」
と、キリアが声を漏らす。
身構えるが、バルは中に入ってしまった
「やっぱりドルヘズか。お前もやっぱり時間を......」
「兄さん!?」
バルのベッドにしがみついていたのは弟のドルヘズだった。
「貴様。なぜお前だけ動ける」
キリアが少し怒っている?
「僕だけって? しばらく前から嫌な感じがして、母さんを何度も呼んでたんだけど全然反応がなくて......」
「少年...こいつはなんだ?」
「俺の弟のドルヘズっていいます。弱視でほとんど何も見えないらしいッス」
「ほぅ......」
キリアは少し黙った後
「こいつも連れていこう。」
「え?!?!」
驚くバルを横目にドルヘズが口を開く
「この後すぐ旅に出るんですよね?僕なりに頑張るのでどうか是非連れていってください!!」
そしてそのまま続ける
「この村はきっと時間が止まってしまっていて、動けてるのは僕と兄含め『五人』だと思われます。置いていかれたら飢え死にするか気が触れるかもしれません。どうかお願いします!」
『五人』? バルは疑問に思った。
「僕はキリア。これからよろしくな。勘は鋭いようだな、弱き者よ。」
「はい!よろしくお願いします!」
「おいおい、兄に選択権はないのかよ」
「ないな。」
すっぱりと言い切るキリアであったのだ。
(しかし、なぜこのドルヘズという少年だけ動けているんだ?)
キリアは疑問に思い部屋の中を見渡す
(そうか!女神のマナが薄く充満している。そのせいかもな......)
「おーいキリア!準備できたから行こうぜ!」
バルが元気よく歩き出した
「待ってよ兄さん!」
後に続くドルヘズ。
(謎は残るが...行くか)
三人は部屋を後にするのであった。
バルの弟のドルヘズは家の中や村の中なら
割りと補助無く歩けるようです。
旅となると補助はいるんでしょうか?
なるべく2000文字以上を目指しながら書いているのですがなかなか越えられないです......。
読んでくれたかたもしいらっしゃいましたら
ありがとうございます!