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三月分

140字以内の物語の集合のはずが合計で約3000字あります。

『』は自分勝手に付けたタイトルのようなものです。

よろしくお願いします。




『はじまりの決心』

踏み出すのは少し怖いが、始めてみよう。


気負わずに、いろんなものを思いつくままに書こう。


例えば、キラキラ輝く自然の力

例えば、グチャグチャな感情論

例えば、おどろおどろしい恐怖


それらを思いつくがままに表現して行こう


そんな、はじまりの決心


『言葉の砂漠』

広大な言葉の組み合わせから一つの正解を見つけるのは僕にはどだい無理な話で、それでもこの胸の奥にあるモヤモヤをどうにか言葉にできないかと今日も僕は砂漠を行くのです。


その先に世界が肯定しなくても僕自身が納得できる砂の一粒が見つかることを願いながら。


『悪夢』

また今日も悪夢を見た

失敗に次ぐ失敗で、周りから失望され、見限られる悪夢


いつからこんな悪夢を見るようになったのだろう?

子供のころは輝かしい夢を見れていたはずなのに


これは現実を知るという事なのだろうか?

今の僕には希望に満ちた夢なんてないから、悪夢を見るのだろか?


『勇者の選択』

人々は「この世界をお救い下さい」と無責任にすがる

盗賊の頭は「ボクのやりたいようにやるだけだ」と敵対を選ぶ

幼馴染の騎士は「俺の居場所はここだ」と同行を選ぶ

私は世界に弄ばれながらも、始めて自分の意思で世界を見捨てた

私が私として生きるために


『青い鳥と青い空』

スマホの画面を流れる世の中への愚痴

「世界にはいいことなんて起こんないな」

そうやって僕も愚痴をこぼした

そんな時、充電が切れて、最悪だとばかりに空を仰ぐと

青い、青い、抜けるような空が、太陽に白く染まって

「案外悪くないかもしれない」

なんて思うのだから単純なものだ


『自分勝手肯定論』

感情をギリギリまで抑え込んで、慟哭を内心で飲みこんで表面上だけは笑っていた

本当は怒りたいのに、本当は泣きたいのに、自分勝手だって思って否定してきた

「その感情はまっとうな痛みだからどうか大切に」

そんな風に言って君は笑った

始めて肯定された自分勝手だった


『復習』

放課後の図書室、静かで誰もいない気にならないくらいの静寂の中で、僕は君と一枚の紙に向かい合ってた。

テスト用紙、君は珍しくミスして満点を逃したみたいで、一緒に復習することになった。

間違ったテスト用紙を前にして君がうれしそうに見えたのは僕の都合のいい妄想なんだろうか?


『内面に二人』

「僕は僕の事が好き」「俺は俺の事が嫌い」

「僕は君の事が嫌い」「俺はお前の事が好き」

「後ろ向きでネガティブな君が大嫌い」

「前向きでポジティブなお前を尊敬する」

『そんな僕達、俺達をどうか認めて欲しい。貴方の一つだから』

私は二人を抱きしめた


『絵に描いた餅』

キャンバスを前に僕は言う

「絵に描いた餅のように描いた夢は叶わない」

隣にいた君はキャンバスに近寄りながら

「そこに君が居ないからだよ」

そう言って僕の絵を隣に描いた

「叶った自分を描こう。絵空事に自分自身が居ないと寂しいよ」

そう言って君は楽しそうに笑った


『三択目』

私のクラスにはひねくれものが居る

「犬派?猫派?」

「うさぎ派」

二択の選択問題を言うと必ず作り出した三択目で答えてくるのだ

そんな彼は、絶対に選びたく無い問題のためと言い張ってる

「じゃあ……私の事、好き?嫌い?」

「愛してる」

でも、この三択目を引き出せた私は幸せだ


『終わらない世界』

枯れ果てた世界樹

荒れ果てた草原

濁った空に

血に歪んだ神獣

崩れかけの神殿を抜けて

誰も知らない神が問う

「何を望み、何を差し出す」

一人きりの少年は答える

「世界を望み、僕を差し出す」

神は笑い、少年は光に溶け、世界は元通り

「この願いは二度目だ」

神の独り言は密かに消えた


『巨大な主語』

いつもそいつは自信満々だ

「俺らクラスメイト一員、断固拒否する! そうだろ!」

「日本人として、こういう部分は譲れねえな!」

立派なことだと思う。けれど、僕には響かない。

「世界を隠れ蓑にするなよ」

ひねくれ者の一言を誰も聞いていなかった


『生き下手』

何もかもが上手くいかない

僕は精いっぱいやっているはず

なのに世界はそれ以上を身勝手に望む

もしも他人の80%が僕の120%なら

僕は常に生き急がないと生きていけないの?

上手くいかない、上手くできない

上手くならない、生き下手な僕


『恋の病』

最近、調子がおかしい

小骨でも刺さったかのようにうまく喋れなくて

胸が食べ過ぎた訳でもないのに焼けるよう

言いたいことがあるはずなのに、言葉が頭の中でから回る

恥ずかしくても嬉しくて、顔がやけに熱い

僕はどうしてしまったんだろう


『誰がための普通』

常識と一言でみんなは言うけれど、その常識は誰が決めたの?

普通に生活することを望むけれど、その普通は誰のためのモノ?


『常識』も『普通』も僕には分からない、分からないから、息苦しい、生き苦しい

人に合わせないと普通に生きていけないなら、僕は普通になれないな


『どうにかこうにか』

どうしようと立ち尽くす

どこを向いても壁、壁、壁

道なんて何処にも見当たらない

自分の手札ではどうしようもない

それでも

何かないかと手札を探って

情け無くても人に頼って

ボロボロの不格好でも前に進みたい

後ろに道はもう無いから


『バイバイ、モラトリアム』

子供と大人の境目でユラユラたゆたう

バカらしい事をしないくらいには大人で

先を見据える事ができないままの子供で

熱く夢を語る事は無いのに胸の奥ではモヤモヤムカムカ

そんな居心地の良い世界からもうサヨナラしないといけない

「バイバイ、モラトリアム」


『ある魔女のぼやき』

言っても聞かなかった、あの王子には婚約者が居たのに一目惚れの勢いのまま地上に行って、見事に振られた。家族も後見人も知識も無い少女が生きていける訳ない。ダメ押しで声も奪ったからきっと帰って来てくれる。死んで泡となっても生き地獄よりマシだと思ったんだ。


『ある魔法使いの失恋』

たとえ灰をかぶったとしても、彼女は折れなかった

優しく微笑むその眼に、折れない意志を宿していた

魔法の練習をしながら、そんな彼女をずっと見てきた

会いに行くよ、それが僕の初恋を終わらせるきっかけになるとしても

どうか、幸せに。シンデレラ


『迷惑な第三者』

終わった事だ、僕は気にしていない

だから止めてほしい、引っ張り出すな

相手を叩く権利は叩かれた僕にしかない

だから僕の知らない所で、僕を理由に

まとまって、暴れないで

それは、僕しかしてはいけないんだ

僕は叩きたくない



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