本題
「ポラリ殿、この俺の聖剣と、
弟の聖剣を見比べて、何か気付かないかね?」
街長のタメゴロが、ポラリに質問をする
「街長さん、私は『殿』なんてガラじゃ無いから、
普通に、ポラリって呼んでくれれば良いよ、
それと、ギル・マスの聖剣との違いだって?
そう言われて見ると、街長さんの聖剣の方が、
気持ち、黒味掛かって見えるかねぇ・・・
そう言えば、確かギル・マスの聖剣は500万ギルで買ったって言ってたから、
街長さんの方が300万ギルも高いって事だよね、
その事から考えると、素材にでも違いがあるのかい?」
「うむ、ではポラリ君と呼ばせて貰うよ、
それから、流石はA級冒険者と言わせて頂こう!
今、ポラリ君が言った様に、
俺の聖剣は、弟のよりワンランク上の素材で造られているのだよ!
弟の方が、数万年を生き抜いたという
『スーパー・ウルトラ・エルダートレント』製なのに対して、
俺のは、数億年の長きに渡り生き長らえたという
『スーパー・ウルトラ・エクセレント・エルダートレント』製なのだよ!」
「へ~、そうなのかい、
それだけ生存年数に差があって、
差額が300万ギルだけってのには疑問があるが、
取り敢えずソレは置いといて、今回は如何だい?パサラ」
「『鑑定』・・・タダの『ウバメガシ』と出てる」
「おおっ!数億年か~
そう言われて見ると、ギル・マスの聖剣より、
オーラが強く感じられる様な気がするっすね~」
「ギル・マスさんのが『アオダモ』だったから、
『ウバメガシ』だったら、確かに堅いっちゃ堅いのかなぁ・・・」
「やっぱり、そんな所かい・・・まあ良いや、
街長さん、あなたの聖剣が凄いのは分かりましたんで、
早速ですが、特別クエストの内容の方を聞かせて貰えるかい?」
「おや、そうかね?
俺としては、もう少し、この聖剣の話をしたかったんだが、
ポラリ君たちにも都合があるだろうから、本題の話に入るとするか、
それで、今回の特別クエストなんだが、
諸君に頼みたいのは、ある山に行き薬草を採取して来て欲しいのだよ」
「薬草の採取だって?
私らに頼むぐらいだから、
その薬草ってのは、購入とか採取が難しいって事か・・・」
「ある種の薬草は希少」
「特別な効果がある薬草の採取依頼は、
良くクエストに出るっすよね」
「確かに、駆け出しの冒険者がやるクエストとかにも、
薬草の採取とかが多そうですね」
「うむ、今回、俺が依頼をする事となった薬草は、
最近、この街の、商業ギルドの鑑定士によって、
ある秘薬を鑑定して貰う事により明らかになった素材で、
一般には流通していない様なんだ・・・」
「なる程ね・・・それで、その秘薬っては、どんなモンで、
素材の薬草ってのは何てんだい?」
「秘薬の原材料・・・興味が湧く」
「一般に流通して無い薬草の採取ってんなら、
特別クエストになるのも分かるな」
「サナエさん、薬って勝手に鑑定して作っても良いんですか?」
「ああ、内容を秘匿したい薬師とかは、
必要が無い原料とかを混ぜ込んで、
特殊な加工を施したりして鑑定が出来なくしてるから、
普通に鑑定が出来た時点で、
その薬の製作者には、別に秘密にする気は無いって事なんだ」
「なる程、そういう事ですか・・・」




