登録のオーブ
「一応、書けたんで見てくれますか?」
コインは、記入を終えた冒険者ギルドの登録用紙を、
受付嬢の方へと差し出しながら、そう告げた。
「はい、じゃあ拝見しますね、
え~と、登録のお名前はコイン様で・・・うん!大丈夫みたいですね、
従魔ちゃんの名前は、こちらのファーちゃんで、お間違い無いですね?」
「はい、大丈夫です。」
『キュキュ~!』
「では、この内容での御登録を致しまして、
コイン様のカードと、ファーちゃんの首輪をお造り致しますね」
「あの~、ファーって体の大きさを変えられるんですけど、
その首輪って、大きくなった時に締まったりしないんですか?」
「はい、従魔ちゃんの中には、
体の大きさを変える能力を持った子も極稀に居ますから、
この首輪の方も、体の大きさに合わせて変化する仕様ですので大丈夫ですよ」
「そうですか、安心しました。」
「はい、ではまずコイン様から、
こちらのオーブの上に、手を置いて頂けますか」
受付嬢がカウンターの下から取り出した
台座の上に、透明な水晶球の様な物が乗った魔導具らしき道具の、
台座のスリットに、銀色のカードを差し込むと告げる
「はい、分かりました。」
コインが、受付嬢に言われた様に、
オーブへと手を乗せると、オーブが一瞬ピカッと光を発して、
台座に差しこまれたカードがカシャンと飛び出した。
「冒険者カードへの入力が出来ましたので、
まず裏面に記載されました御内容で、お間違いが無いかを御確認下さいませ。
お間違いが御座いません様でしたら、
カードに魔力を通して頂けば、コイン様の専用カードとして本登録がされますので、
他の方が内容を見ようと致しましても、コイン様の許可を無くして閲覧出来なくなります。
また、表示する内容もコイン様が選べる様になっておりますので、
本登録が済みましたら、表示したく無い部分を軽く2回タッチして頂きまして、
非表示として御設定下さいませ。」
受付嬢が、カードを差し出しながら、そう告げた。
「はい、分かりました。
表示内容を選べるなんて便利な仕様になってるんですね」
「はい、レベルやスキルなどは、
冒険者の皆さんに取っては生命線となる場合が御座いますので、
ご内容に依っては、見せたがらない方が結構いらっしゃるんですよ」
「なる程、斯くいう僕も、知られたら困るスキル持ちですからね」
「あら、そうなんですか?
そういう冒険者の方は、将来的に優秀になられたり、
最初から優秀な方などが多いので、
コイン様の、今後の冒険者活動が楽しみですね」
「ハハハ、なるべく御期待に添える様に頑張ろうと思います。」




