チェック・イン
「いらっしゃいませ!
本日は当方、ホテル ニューエンペラーをご利用いただき、
真に、ありがとう御座います!
う~ナイス・ジェントル!」
「え、ええ・・・ナイス・ジェントル?」
(なんか、超 胡散臭く見える笑顔の人だな)
ホテルの、入り口ホールへと入ったコインら一行は、
代表して、コインが宿泊手続きを行う事となり、
一人で、受付カウンターへと向かったのであるが、
そこには、高そうなスーツに身を包んだ、
コインが、こちらの世界に来てからは始めて見る、
ベッタリと貼り付けた様な、作り笑顔の男性が出迎えていたのであった。
「私、当ホテルのオーナーで、『ウサンクサー』と申します。
以後、お見知りおきの程、宜しくお願い申し上げます。」
「マンマかよ!」
「はい?」
「い、いえ、何でもありません、
僕は、この街で冒険者に登録する予定のコインです。
宜しくお願いします。」
「これはこれは、ご丁寧な御挨拶を頂きまして、
ありがとう御座います。
恐れながらコイン様も、
なかなかを持ってのジェントル度ですな、
それで、本日コイン様方は、
4名様の御宿泊という事で宜しいでしょうか?」
「ジェントル度?
は、はい、人数は女性3名と、僕一人なんですけど、
この、僕の首に巻き付いてるのが、
ファーって名前の従魔なんですけど、一緒に泊まっても大丈夫でしょうか?」
『キュキュ~!』
「はい、当ホテルには、従魔を従えられた冒険者様用の、
お部屋も御用意させて頂いて居りますので、
コイン様が、そちらで宜しければ御宿泊頂けます。」
「ええ、勿論、オッケーです。」
「女性の御3名様は、4人部屋を御3名様で使われるか、
2人部屋に、簡易型ベットを入れての御宿泊となりますが、
如何致しますか?」
「そうなんですか、ちょっと待って下さいね、
今、皆に聞いて来ますんで・・・」
「はい、ここで、お待ち申し上げて居ります。
ウェイト・フォア・ジェントル!」
コインは、ウサンクサーに断りを入れると、
パサラらが待つ、入り口ホールにある待合コーナーへと向かった。
「ポラリさ~ん!」
「おう!ご苦労だったなコイン、
随分と早く、ここに戻って来たみたいだけど、
もう、受付が終わったのか?」
「いえ、僕の部屋は直ぐ決まったんですけど、
ポラリさん達の方が、4人部屋を3人で使うか、
2人部屋に、簡易型ベットを入れて使うか選べるって言うんですけど、
如何しますか?」
「そうだな~、2人部屋の方が大分、安いんだろうけど、
別に、お金に困ってるって訳でも無いから4人部屋の方にするか?」
「どっちでも良い」
「オレは、簡易型ベットでも十分に寝れるっすから、
勿体無いから、姉さん方さえ良ければ、
2人部屋にしないっすか?」
「まあ、私とパサラも、野営なんかでテントの狭さには慣れてるから、
部屋の大きさなんかは気にしないからな、
そんじゃ、今夜は節約するって事で、2人部屋の方にするか・・・」
「私も構わない」
「じゃあ、2人部屋って事で良いっすね」
「分かりました。
では、2人部屋の方を3人で使うって事で、
受付を済ませて来ますね」
「おう、頼んだよ」
「善きにはからえ」
「頼むぜコイン」