常習犯(じょうしゅうはん)
「折角私が用意したんだから、武器と防具を身に付けてみたらどう?
魔導リュックの中に手をつっこんで、取り出したい物を頭に思い浮かべれば取り出せるわよ」
「おう、早い事、身に付けるのに慣れた方が良いよな」
コインは、女神ちゃん(小)から魔導リュックを受け取ると、
中から防具、武器の順番に取り出すと見に付けてみる
「お~!中々に似合うじゃないのよ、
カッコだけなら、もう一端の冒険者に見えるわよ」
「そうか?そりゃサンキュ、
でも、革の防具は兎も角として、西洋型の剣なんて初めて持ったのに、
何か妙にシックリ来る感じがするな?」
コインは、腰帯に付けた鞘から剣を抜くと、
ブンブンと縦方向に振り下ろしてみている
「それは、オリジナルの貴方が持っていた能力を、
体術スキルと剣術スキルとして、私がコイン君のスキルに追加しといたからよ」
「僕のオリジナルが持ってた体術と剣術の能力って、
もしかして、子供の頃に爺ちゃんに習いに行かされてた柔道教室と、
中学に柔道部が無かったんで、その代わりにって入部させられた剣道部の事なのか?
ハッキリ言って、どっちも、やらされてる感が満載で、
お世辞にも真面目に打ちこんでいたとは言えない代物だぞ?」
「そこはソレ、この女神ちゃん(小)の類まれ無い素晴らしい能力で、
ちょちょいのチョイと強化してスキルにしたのよ」
「ほう・・・何気に女神ちゃん(小)ってハイスペックだよな、
所持してる潜在能力が高くても、それを上手く利用する頭脳が伴わないと、
失敗するっていう良い見本だな」
「今、何か言ったかしら?」
「いや、別に気にしなくても良い事だ」
「それじゃ後は、この獣道を道沿いに進んで行けば村に行きあたるから、
そこから、あなたの冒険が始まる訳だけど、何か他に聞いて置く事があるかしら?」
「そうだな・・・そうだ!肝心の僕の所持スキルの事を、
まだ聞いて「むむっ!また私の担当してる地域で何か問題が発生した様だわ!
問題は早期発見・早期解決に限るから、私はこれにてドロンさせて貰うわね、
あと、所持スキルは『ステータス』って言えば自分で確認できるから、して頂戴ね、
スキルの詳しい内容が知りたければ鑑定スキル持ちの人とか、
冒険者ギルドでも有料で調べてくれるから、そっちを利用して頂戴ね、
では、これにて御免!」あ、あぁ~行っちゃった・・・」
女神ちゃん(小)は、言いたい事を一気にコインへと告げると、
体の前で忍者の様に両手を結んでからボフン!と白い煙を残して消え去ってしまった。
「あいつ、『また』問題が発生したって言ってたな、
今回の、コイン君の件が発覚しなくても、
別件の積み重ねで査定に引っ掛かるんじゃ無いのか?
まあ、それは別に、どうでも良いか・・・
じゃあ、取り敢えずは自分のステータスでも確認してみるかな」