プレゼント
「どうやら、サナエも一緒に行くという事で話しがついた様だな、
そこで、一つ提案なんだが、
人数も増えた事だし、お前ら馬車で移動する気は無いか?」
サナエの、パーティーへの加入話が纏まった所で、
村長が、そんな提案をして来た。
「馬車ですか?
そりゃあ確かに、あった方が移動が便利になるとは思いますが、
如何なんですかね?ポラリさん」
村長の提案を聞いたコインが、そうポラリに尋ねる
「そりゃ、便利だとは思うが、
私もパサラも馬車の操車なんて出来ないぞ」
「私が御者台に座ると、何故か馬が怯える」
「操車なら、確かサナエが出来たよな?」
「ああ村長、『闇ネコ』の入団テストが受けられる年齢になるまでは、
親父と一緒に荷物の運搬なんかで馬車を使ってたから出来るぜ!」
「という事だが、どうだ?
我が村から、ファーとサナエが世話になる事となった事だし、
村で共有している、馬車や馬には十分な余裕があるから、
馬車1台と、馬を2頭、2人の選別に送ろうと思うのだが・・・」
「サナエさんが動かせるなら、ありがたい話ですけど、
良いんですか?村の人達で共有で使ってるんですよね?」
「別に構わんと思うぞ?
なあ?皆の者共」
「ああ、元々全部、村長が自分の金で買って、
村に寄付してくれたもんだし、構わねぇぜ!」
「馬2頭や、馬車が1台減ったところで、
まだまだ数に余裕がある事だしな!」
「購入する際の資金には、
ファーちゃんの毛皮の売り上げなんかも入ってるしね」
「村長んとこのイタチ達にゃ、まだまだ返しきれない程の恩を、
この村は受けているからな!」
「という具合に、村の者共は賛成してくれるそうだ」
「村の方達も、そう言って下さってるなら、
ありがたく頂く事にしますか?ポラリさん、パサラさん」
「ああ、そういう事なら、ご好意に甘えるとするかね」
「馬の名前は、『サクラ』と『バサシ』で決定」
「操車は、オレにバッチリ任せてくれよ!」
「良し!そうと決まれば、荷物の積み込みをした方が良いな、
今から、お前らに使って貰う馬車まで案内をするから、
村の駐車場まで付いて来てくれや」
「はい、村長さん、分かりました。」
「ああ、世話を掛けるね」
「振動が少ない馬車を所望」
「前から、目を付けてる良い馬車があるんっすよ」
「それから、シロミミよ、
馬房に行って、元気が良さそうな馬を2頭引いて来てくれや」
「おう!ガッテンだぜ村長」
コインらの旅立ちの見送りに集まった村人らは、
村長の号令によって、馬車の準備が整うまで、
一旦解散して、其々の家で待機となり、
コイン達は、村長の案内で馬車の駐車場へ、
そして、シロミミと、その妻は馬房へ馬を連れにへと向かった。




