今後の活動方針
「まあ、大体のところは理解出来たんだけど、
今後、僕がコイン君として生きて行くに当たって、
何かアドバイス的なものは貰えるのかな?」
「そうですね・・・やっぱり最初は、ニホンのラノベでも定番の、
冒険者として活動するのが良いんじゃ無いですかね、
コイン君が元々所持していたスキルに加えて、
ニホンのオリジナルの貴方が素質として持っていた能力を強化してから、
コイン君にスキルとして追加してありますし、
オリジナルの趣味に関連付けて、ユニークスキルも出血大サービスで2個付けといたから、
冒険者として中々の活躍が期待できると思うわよ」
「なる程な、確かにユニークが2個ってのは凄そうだな・・・
そう言えば、冒険者の仕事ってのは、
やっぱり、怪物を倒したり、商人の人とかの護衛をしたりして金を稼ぐのか?」
「ええ、他の国の冒険者だと、
魔獣と呼ばれる生物を討伐したり、護衛の任務にも当たったりするけど、
今、コイン君が居る、ここラメール国では違うわね、
世界中から優秀な魔法使いの卵たちが集まって、魔法を学んでいる魔法学校がある所為か、
空気中の魔素が極端に薄いらしくて大した魔獣が現われないのよ、
弱い魔獣が出て来たところで魔法学校の先生とかに瞬殺されちゃうしね、
だから、少し前までは冒険者ギルドの出張所さえ無かったぐらいよ」
「『少し前までは』って事は、今は出来てるんだ?」
「ええ、過去のラメール国は魔法学校があるって事ぐらいしか売りが無かったんだけど、
大量の魔石が産出される様になってからは、
さっき言ってた様な、商隊などの護衛の必要性が出て来たからね」
「そんじゃ、この国の冒険者の主な仕事は護衛任務になるのか?」
「いいえ違うわよ、さっきの魔石の産出地で大規模なダンジョンが発見されたから、
冒険者の人達の主な仕事はダンジョンの攻略になってるわね」
「おお~!ラノベで定番のダンジョンアタックに挑めるのか!」
「そう言う事ね、でも最初は慎重に行った方が良いわよ、
或る理由から、この国にあるダンジョンは他と比べて、
かなり危険度が高い仕様になってるみたいだから、
いくらユニークスキルを2つ持っているとは言っても、
攻略を急がないで、じっくりと実力を付けて行った方が良いわね」
「なる程、『命をだいじに』で行けって事だな、
善きアドバイスとして、肝に命じて置くよ」
「うむうむ、なかなか素直な事で宜しいですね、
そんな素直な貴方に良い物をプレゼントしてあげましょう」
女神ちゃん(小)は、何も無い空間にポン!と何かを出現させると、
コインに向けて差し出した。
「それは・・・もしかして、リュックサックか?」
素材は何かの革を使っているものの、
デザイン自体は、日本で見慣れたリュックと、そう変わらない品物である
「フフフ、確かに見た目は、ちょっと高級な革製リュックだけど、
そのスペックは大いに違います。
何と!このリュックは空間魔法が付与された『魔導リュック』なのでした~!」
「えっ!?それってRPGとかで出て来る、
『魔法のカバン』みたいな能力があるリュックって事?」
「アレほどの収納量は無いんだけど、
8畳間に納まる程度の荷物は収納出来るわよ、
ちなみに中には、初心者冒険者の友、
『鉄の剣』と『革の防具』と『少額のお金』が入ってるから使ってね」
「それは有り難いな、でも良いのか?
魔法のカバンなんて珍しそうな物を、初心者の冒険者が持ってたら、
他の人達から不審に思われるんじゃ無いのか?」
「ああ、それだったら大丈夫よ、
この世界の魔導具は、勇者や英雄さん達のお蔭で大分進んでいるから、
そのリュックだって5万ギル・・・日本円で5万円ぐらいで手に入れられる品物だから」
「えっ?そんなもんで買えるのか?
この世界の貨幣価値が分からないけど、そのリュックのスペックからすると、
かなり安い様な感じがするな・・・」
「ええ、一昔前だったら100万ギルは下らなかったでしょうね、
コウガ王国と言う国で大量生産される様になってからは、
若い冒険者でも何とか手に入れられる金額まで下がったのよ」
「へ~、そりゃコウガ王国様々だな」