お約束ネタ
「そんじゃ、嬢ちゃんら2人は、嫁に行った娘らが使っていた
こっちの部屋を使ってくれるか、
コインとファーは、その隣の部屋だから、今から案内するぜ」
村長の案内で、今夜パサラとポラリが間借りする部屋へと来ると、
そこは、18畳程の大きさで毛布付きのベットが3つ置かれていた。
「ああ、広々として良い部屋だね、感謝するよ」
「ありがと」
「はい、分かりました。
ベットが3つって事は、お嬢さんが3人居られたんですか?」
「ああ、昔のウチは婆さんに、カミさんに、娘3人と、
俺以外は女ばかりのウチだったんだよ、
今度は、ファーがコイン達と行っちまうから、
女性陣はハヤイだけになるから、男女の比率が逆転するがな・・・ガハハハッ!」
「確かに男女の比率は逆転しますけど、
女性の方が強いのは、今後も変わらない様な気がしますけどね・・・」
「私もコインに同感だね」
「コインに一票」
「むぅ・・・そう言われれば、そんな気もするな、
まあ、死んじまったウチのカミさんが言うには、
『女が強い家の方が、何かと上手く行く』って話だったから、
それで良いのかもな・・・」
「それは、蓋し名言ですね」
「聡明な奥さんだったんだね」
「同感」
「そんじゃ、歓迎会の方の準備が出来たら、また声を掛けに来るから、
それまでは、ゆっくりしててくれや、
コインとファーは、こっちだぜ」
「分かりました。
そんじゃ、ポラリさん、パサラさん、歓迎会の時間まで失礼しますね」
『キュキュキュ~!』
「ああ、そんじゃな」
「バイバイ」
パサラとポラリが、部屋に入ってドアを閉じるのを見届けたコインは、
村長の案内で、その隣の部屋へと向かう
「コインとファーは、この部屋を使ってくれや」
村長が、部屋のドアをガチャッ!と開けながら、そう告げたので、
コインが部屋の中を覗き込んで見ると、
そこは、8畳程の広さの部屋で、
部屋の隅にはベットが一つポツリと置かれていた。
「僕とファーで使うには十分な広さの部屋ですね」
「ああ、この部屋は5年前に死んじまった婆さんが使ってたんだが、
夜中に、妙な物音や声みたいなもんが聞こえる気がするんだが、
多分、気の所為だから大丈夫だろ、ガハハハッ!」
「ちょ、ちょっと止めて下さいよ村長さん!
僕、そういうのにホント弱いんですから」
「ガハハハッ!だから、気の所為だから大丈夫だって言ったろ?」
「でも、『多分』が付くんですよね?」
「ああ、俺には自分の部屋があるから、
この部屋で寝た事なんか無ぇし、
大概の夜には酔っぱらっちまってるからな、
寝惚けて聞き違えたとか、幻聴の可能性の方が高いだろうな」
「はあ、そうだと良いんですけどね・・・」




