表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/238

ディック村長の苦労話し

「村長さん、それで、そのイタチ君達は何処にいるんですか?」

コインが見た限り、駄々っ広い部屋の中には床に敷き詰められた敷き藁と、

奥の方に見える敷き藁用の藁らしき小山しか目に入らなかった。


「何言ってんだコイン、あそこに皆居るじゃねぇかよ」

ディック村長の指差す方向へと目を向けると、

どうやら奥の小山の方を指差している様であった。


「あの藁の山に潜り込んでるって事ですか?」


「藁の山?何言ってるんだ?コイン

お~い!お前達!

お前達に会いたいっていう、お客さんが来たから、

ちょっと挨拶をせいや!」

村長が部屋の奥に向かって大きな声を掛けると、

藁の小山と思っていた物から、

ニュニュニュ~と何本かの巨大な長い何かが持ち上がった。


「えっ!?あれって敷き藁用の予備の藁が、

積み上げて置いてあるんじゃ無いんですか?って皆デカっ!?」

「ホントに、とんでもないデカさのイタチ達だね、

あの一番大きな白いヤツなんて頭の先から尾っぽまで含めると、

5メートルはあるんじゃないのかい?」

「・・・すごく・・・大きいです・・・」


「ガハハハハッ!どうだ?

俺が手塩にかけて育てたイタチらは皆は立派なもんだろ~!」


「立派過ぎですよ!

村長さん、あれって絶対普通のイタチ達じゃ無いですよね?」

「ああ、自然界に、あんなにデカいイタチは居ないから、

間違い無く魔獣化したもんだろうね」

「空気中の魔素が薄い、この国で何故育つのかが不思議・・・」


「ああ、あいつらは確かに魔獣で間違い無いが、

俺が良く躾けてあるから人を襲う事は無いぞ、

それと、こいつらが、こんなに大きくなれたのは、

森に住んでた頃に、穴を掘って巣を作って暮らしてたんだが、

その巣の奥に、濃度の高い魔素を含んだ地下水の泉が湧いてて、

その水を飲みながら成長したからだろうな」


「へ~、魔獣は人を襲うもんだとばかり思ってたけど、

襲わない種類っていうのも居るのか」

「まあ、極稀ごくまれにだけど居るな、

草食の魔獣でも人に襲い掛かるヤツが居るところから見ると、

個々の性格みたいなもんも影響してると思うぞ」

「食肉用に畜産している魔獣も居る」


「水は、その泉の水を与えるから良いとして、

エサは何を与えているんですか?」

「そうだな、魔素を含んだ水だけじゃ、

あんなに沢山、繁殖させる程のイタチ達を育てられる筈は無いからな、

何か、豊富な栄養と魔素を含んだエサが必要な筈だな・・・」

「魚系の魔獣みたいに水からの栄養は吸収出来ない筈」


「ああ、俺も最初は、

あの泉の水と、普通の肉なんかの食事を与えて居たんだが、

一向に増えてくれ無くてな、

そこで、知り合いの友人に魔法学園の教師をやってるヤツが居るってんで、

そのセンセイに聞いてもらったら、

高カロリーの栄養と、高濃度の魔素を含んだ食事を与えないと、

魔獣の繁殖は出来ねぇって事だったんだよ、

『そんなもん一介の村長に用意が出来る筈が無ぇ』って言ったら、

ルクシア共和国のピロンって街で、

マッドパイソンの畜産をしてる人を紹介してくれてな、

その人に会いに行ったら、同じく魔獣を育てる事を志す者として意気投合してな、

お蔭で格安で、コイツらの食料を譲って貰える事になったって訳さ」


「ピロンって、昼飯の時に食べさせて頂いた

あの『ピロン焼肉のタレ』のピロンですかね?」


「ああ、あの街は食用にマッドパイソンの畜産もしてるんだよ」

「あの街産の肉はサシが多くて美味しい」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ