過去見(かこみ)
「彼女の加護履歴データの検索結果からすると、そう言う事になるわね、
ねぇパサラーナちゃん、封印される前の事を覚えてるか如何か分からないけど、
あなた過去に私と会った事が無いわよね?」
コインに尋ねられた女神ちゃん(小)は、そうコインに返事を返すと、
続けてパサラへと質問をした。
「封印前の事も良く覚えている、
あなたとは、確かに一度も会った事が無い、
それから、私の事はパサラと呼んで欲しい」
「オッケー、パサラちゃんね」
「そうなると、何で当時の女神ちゃん(小)が、
パサラさんの所に顔を出さなかったかってのを、
調べなきゃならないのか・・・」
「ふっふっふっ、私を誰だと思ってるの?
天下の女神ちゃん(小)に、過去数百年程度の事が分からない筈が無いでしょ」
「えっ!?そんな事まで調べられるのか!?」
「流石は女神フェルナ様の御眷属です!」
「私は、生まれてから現在までの記憶が全て残ってる」
「まぁ、今チャッチャッと調べて見るから待ってなさいよ、
え~と・・・二百年ぐらい前で・・・場所が魔族領よね、
そうすると、この辺のデータって事か・・・あっ!
ざ、残念ながら、そ、その頃のデータがバグってて調べられないみたいね、
ホント残念だわ~」
「おい!女神ちゃん(小)」
「な、何よコイン君」
「今の『あっ!』ってのは何だったんだ?」
「わ、私、そんな事、全然・全く・殆どと言って良い程に、
言ってないわよ」
「ホントに言って無かったか?」
「女神ちゃん(小)様が、そう仰っておられるんだから、
あれは空耳だったんじゃ無いかしら?」
「確かに『あっ!』って言ってた。」
「ええ、女神ちゃん(小)に誓って言って無かったわ」
「自分で自分に誓って如何すんだよ、
まあ良いや、街に着いたら教会に行って女神様の像の前で質問してみるから・・・」
「そ、それだけはご勘弁を~!」
「やっぱり、さっき過去を調べて何かを見付けたんだな、
正直に全部、話した方が良いぞ、
話しの内容によっては情状酌量が認められる事があるかも知れんからな」
「ホ、ホントに?
正直に全部話したら、フェルナ様には言わないでいてくれる?」
「それは、女神ちゃん(小)の話す内容にも由るが、
何も言わずに居て、女神様に直接調べられるよりは、
助かる可能性が高くなるんじゃ無いのか?」
「う~ん、まぁ確かにフェルナ様に調べられたらアウトの案件だから、
正直に話してみて、コイン君たちに許しを請うしか、
私が助かりそうな道は無いわよね・・・分かったわ!
取り敢えず過去を調べて見て分かった事を話してみるわね」
「おう!聞かせてみろや」
「御拝聴を致します。」
「善きに計らえ」




