世界で一番短い詩
「結構、コイン君って細かいとこあるよね」
ポラリに対して、もう少し丁寧な対応をしろと言うコインに対し、
女神ちゃん(小)が、そう告げた。
「僕が細かいんじゃ無くて、
女神ちゃん(小)が大雑把過ぎるんだと思うけどな」
「神語なんて、聞く人が其々で好きな様に解釈すれば良いと思うわよ、
さっきの言葉だって、ポラリちゃん本人が納得していれば問題無いんじゃないかしら?」
「ポラリさん、さっきの女神ちゃん(小)の言葉を聞いて如何思いました?」
「私如きに、女神フェルナ様の御眷属が受け答えをして頂いて、
大層感動をしたぞ」
「ポラリは、女神フェルナ様を崇拝しているから」
「マジですか!? マジあの会話で感動したんですか!?」
「ああ例え、そのお言葉が如何なる内容でも、
神の言葉には全て言霊が宿っていると言われているからな、
会話して頂いた時点で御利益を頂いているんだよ」
「神からお言葉を頂くと、病や災害を回避できると言われている」
「へ~、言葉自体が何らかの力を持っているんですか、
でも、やっぱりポラリさんも、
言葉の内容自体は余り意味が無いって思ってるんですね」
「分かった?コイン君、私の言葉には有り難いパワーが宿っているんだから、
私と気軽に、こうして会話が出来る貴方は幸せ者なのよ」
「そうなのか? まあ、ポラリさんの言葉からすると、
多分そうなんだろうな、一応は礼を言って置くよ」
「よしよし、なかなか素直で宜しい!
素直なコイン君には、特別に短歌を送ってあげるとしましょう
遠足や~♪
隣の席の~♪
貰いゲロ~♪ あっ、遠足って季語になるのかしら?」
「季語とかの問題じゃねぇ!」
「良いなぁ~コイン君、女神ちゃん(小)様から歌を送って頂いて」
「ライ兄ィから、短歌はニホンを代表する芸術と聞いた事がある」
「ポラリさん達、それマジで言ってます!?」
「はいはい、この話は、この辺にしといて、
さっきの続きをするわよ」
女神ちゃん(小)は、再び右掌をパサラの方へと向けると集中をし始める
「コイン君、女神ちゃん(小)様は何をしてるんだ?」
「何でも、女神様の加護を与えた相手に何かがあると、
その担当者に分かる様になっているそうなんですが、
パサラさんが封印されてしまった際に、
女神ちゃん(小)が分からなかった原因を調べているそうなんですよ」
「なる程、パサラが女神様の加護を頂いてて、
その担当者だったのが女神ちゃん(小)様だったって訳か」
「ええ、そうらしいです。」
「あら? ちょっと、おかしいわね?
パサラーナちゃんの加護が、まだ仮契約のままになってるじゃないのよ、
何で本契約になっていないのかしら?」
「加護に、仮と本契約があるのか?」
「ええ、女神フェルナ様が特別な能力や運命を持った人を選び出して、
自らの加護を与えられる為に、
その地域の担当者である私達にリストをお送り下さるのだけど、
その時点では、まだ仮の状態な訳よ、
担当者である私達が直接出向いて、初めて本契約に切り替わるって寸法ね」
「そんじゃ、当時の女神ちゃん(小)が、
パサラさんの元を訪れて居なかったって事なのか?」